Wallarm(ワラーム)、デジタルの複雑性の増大に伴うAPI脆弱性の増加に対処するSecurity Edgeを開発

APIはデジタルインフラの重要な部分となり、ソフトウェア間の通信を可能にし、モジュール型アーキテクチャーをサポートしている。しかしWallarm(ワラーム)によると、APIの利用が拡大するにつれて、APIトラフィックの複雑さと量も増加し、セキュリティー確保がますます困難になっているという。さらに、AIエージェントや自動化の台頭によって、セキュリティーはさらに複雑化している。Wallarmは、AI時代には従来のアプローチは通用しないと明言しており、その理由を以下のように解説している。

近年、APIトラフィックの複雑さと量は著しく増加している。今日のAPIは、現在も運用されているレガシーSOAPサービスから、リアルタイムIoTデータ用のイベントドリブンAPIまで、幅広いサービスを網羅している。これらのAPIはそれぞれ、運用上のオーバーヘッド、セキュリティー保護が必要なコードパスの増加、そしてサービス間の依存関係の増加を引き起こす。2025年第2四半期だけで、Wallarmは639件のAPI関連の脆弱性を追跡しており、これは2025年第1四半期から10%増加している。これらの脆弱性は軽微な設定ミスではなく、不正なデータアクセス、アカウントの侵害、あるいは負荷時のAPI停止を直接的に引き起こすものだ。

APIの脆弱性の急増は、いくつかの要因によって引き起こされている。マイクロサービスの台頭により、新しいAPIが、多くの場合、異なるチーム、異なるクラウド環境、異なるプロトコルを使って作成されている。ビジネスクリティカルなAPIは外部プロバイダーに依存することが多く、他者のコードにセキュリティー上の欠陥があると、システムへの侵入につながる可能性がある。多くの組織は複数のクラウドプラットフォームにまたがってサービスを運用しており、異なるセキュリティーモデルを持つアーキテクチャーが混在している。アーキテクチャーが複雑になるほど、全てのAPIエンドポイントのインベントリー、監視、セキュリティー保護が困難になる。

AIエージェントと自動化は、APIセキュリティー環境をさらに複雑化させている。自律的に動作するエージェント型AIシステムは、データの取得、アクションの実行、ワークフローのオーケストレーションにAPIを利用している。2025年第1四半期、Wallarmは公開されているAIエージェントのGitHubリポジトリーにおける2,869件のセキュリティー問題を分析し、その65%がAPI関連であることが分かった。これらの脆弱性は長期間にわたって残存する可能性があり、多くの場合、本番環境にまで浸透し、攻撃者が大規模に悪用する可能性がある。

現代のAPIエコシステムの複雑さとAI搭載システムの未解決の脆弱性が組み合わさることで、攻撃者にとってかつてないほど多くの機会が生まれ、防御側は運用上の課題に直面する環境が生まれる。よりシンプルなアーキテクチャーと予測可能なトラフィックパターン向けに構築された従来のAPIセキュリティーツールは、この状況に対応しきれていない。

これらの課題に対処するため、Wallarmは、エッジでAPIトラフィックをキャプチャーし、保護するために設計されたホスト型マネージドソリューションであるSecurity Edgeを開発した。リアルタイムAPIトラフィックの可視性、マルチクラウドの高可用性、相互TLS(mTLS)暗号化といった業界初の機能を備えたSecurity Edgeは、複雑さやコストを増やすことなく、より高速で信頼性が高く、安全な保護を提供する。組織は複雑な設定や継続的なメンテナンスを必要とせず、わずか数分でAPI保護を導入できる。

Security Edgeは、現代の脅威環境におけるAPIセキュリティー確保の核心的な課題に対処する。複雑なアーキテクチャーのAPI保護を簡素化し、レイテンシーとコストを削減し、リアルタイムの運用監視を提供し、常時可用性とmTLSセキュリティーを確保する。Security Edgeを活用することで、組織は複雑さとボリュームの増加に直面しても、APIを効果的かつ効率的に保護できる。

出典:Wallarm